胃や大腸の腫瘍(良性、癌)の治療に、近年様々な治療方法が行われるようになってきました。腫瘍を完全に切除する根治的治療方法としては、大きく分けて3通りがあります。1.内視鏡治療:胃・大腸カメラで腫瘍を切除します。口・肛門からのカメラで治療するためお腹に傷はつきません。2.内視鏡外科手術(腹腔鏡手術とも言われています):お腹の4〜5カ所に小さな穴をあけ、この穴から内視鏡(胃カメラのような器械)と細い手術器具をお腹の中に入れて手術します。従来の手術に比べると小さな傷ですみます。3.開腹手術:従来からの手術です。お腹の中に手を入れて手術をしますので、どうしても20センチ前後の大きな傷になってしまいます。
最近では、病気の進行程度、患者様の全身状態などを考慮して、できるだけ侵襲の少ない(体に優しい)1.や2.の治療法の選択が可能になってきています。最近増加してきている2.内視鏡外科手術についてよく聞かれる質問についてお答えします。
Q. 胃、大腸のどのような病気がこの治療で治せますか?
A. 内視鏡治療で切除不可能な腫瘍性病変(大きい、深い)で、進行程度の軽いもの、病変の部位がこの治療で行い易い場合が治療対象となります。手術手技の改良、手術器材の進歩によって年々対象者が増加しています。ただし、過去にお腹を大きく切る手術をしていると、癒着(ゆちゃく)が強くて、内視鏡外科手術を行えない場合があります。
Q. 傷の大きさ、手術後の傷み、経過はどうですか?
A. 1〜2センチ程の傷が3〜4カ所。病変を体の外に取り出し切除、ふんごう吻合に必要とする傷が、胃の手術で5〜6センチ、大腸で3〜4センチと小さな傷です。よって術後の傷の痛みは従来からの開腹手術に比べるとずいぶん軽くてすみます。手術の翌日から歩行可能ですし、肺炎などの合併症も減ります。お腹の動きの回復も早く、開腹手術に比べると早くからお食事や水分摂取が可能で、社会復帰も早くできる事が多いです。
Q. 最近マスコミで内視鏡外科手術(腹腔鏡手術)の医療過誤をよく耳にしますが?
A.どんな医療にも合併症などのトラブルは皆無ではありません。この手術では、お腹の中の様子をテレビの画像で見ながら手術を行ないますから、立体感覚がつかみにくく、また細く、長い柄を持った特殊な手術道具を使用します。このため熟練していない術者がこの手術を行なうと、手術時間が長くなったり、正常な臓器を傷つけるなどの合併症につながることがあります。トレーニングを積んだ内視鏡外科専門の医師がいる病院で、この手術が行なわれることが望ましいです。やわたメディカルセンターでは、内視鏡外科手術に力を入れており、胃切除術や大腸切除術をはじめ、胆嚢(たんのう)、脾臓(ひぞう)、すい臓、腸閉塞手術など、お腹の中の多くの病気の治療を内視鏡外科手術で成功させてきた経験があります。
やわたメディカルセンター内視鏡手術件数実績
平成14年 33件
平成15年 45件