Q.70歳の男性です。以前から就寝後1〜2回はトイレに起きていたのですが、寒くなり始めてからひどいときには4〜5回もトイレに起きるようになりました。夜トイレに行くことで十分眠れず、日中も気分がすぐれません。
A.「歳をとればおしっこがちかくなったり、ちびったりするのはあたりまえ。」とあきらめている方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような症状をきたす典型的な病気として前立腺肥大症があります。
Q.前立腺とは?
A.前立腺は男性だけにある生殖器官の1部で、膀胱の出口のところの尿道を取り巻くように存在する臓器です。精液の1部である前立腺液を分泌し、精子に栄養を与える役目をしています。
Q.前立腺肥大症とは?
A.加齢によるホルモンバランスの乱れが前立腺を肥大させ、尿道を圧迫することで尿が出にくい、細かいなどの症状を、膀胱を刺激することで尿回数を多くするなどの症状がでてきます。前立腺肥大症をほおっておくと、おしっこが出きらず膀胱にたまり、細菌がすみつき膀胱炎を起こしたり、石ができたりする場合もあります。さらに悪化すると、腎臓の働きも悪くなります。
Q.どのような検査をするのでしょう?
A.肛門から指を入れて、前立腺に触れる直腸診が一般的です。その他に超音波検査や尿の出方を調べる尿流検査などを行います。
Q.がんの疑いもあるのでしょうか?
A.前立腺がんはアメリカではもっとも患者数が多いがんで、日本でも近年急増しています。前立腺がんは前立腺肥大症とは異なり、初期には症状が出ません。早期診断は血液検査で可能です。50歳をすぎたら症状がなくても前立腺がんのチェックを受けましょう。
Q.どのようにして治療するのでしょう?
A.質問の方のように早いうちなら、ほとんどの方がお薬で症状が改善します。しかし、お薬のきかない方や、症状が進んだ方には手術が必要となる場合もあります。手術療法としては尿道から電気メスのついた内視鏡を入れて肥大した前立腺を削り取る経尿道的前立腺切除術(TURP)が一般的です。手術は1時間前後ですが、10日ほどの入院が必要です。いずれにしましても、ひとりで思い悩まず一度専門の泌尿器科の受診をお勧めします。
やわたメディカrセンター 泌尿器科医長 田中達朗
